(社)日本バレエ協会 第30回「全国合同バレエの夕べ」

2006.8.11&13 新国立劇場オペラ劇場


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Japan Ballet Association
Joint Ballet Soiree Gala


中国支部「アイ・ガット・リズム」
音楽:ジョージ・ガーシュイン
振付:貞松正一郎
バレエ・ミストレス:橋口彩子

GPを拝見しまして「楽しくなければダンスじゃない!」そんなメッセージを感じました。

貞松正一郎 さん:それです!(笑)
アップテンポな音楽に乗せられて10代の若者をイメージして 作りました。昨年の3/25の初演からヴァージョンアップを重ねまして(笑)今日に至りました。

弘中 紫&アンドリュー・エルフィンストン
発表会と公演の両方で上演したと伺いましたが、こどもはもちろん大人の鑑賞にも堪える作品ですね。なぜか貞松・浜田バレエ団の「ボレロ」を思い出しました。音楽の繋ぎ方なのか、それとも盛り上がっていくリズムがそう思わせたのでしょうか?

_「ボレロ」は全く意識していません(爆)バランシンの作品にヒントを得ましてアメリカっぽい“乗り”
を表現したかったのですが全員が合わせるのはなかなか難しくて......。(笑)今回は山口県を中心としたメンバーなのですが全員集めるのがなかなか難しくて大変でした。本番がうまくいけば良いんですが、アンサンブルの難しさを常に感じています。
宮内真理子&貞松正一郎
振付家の技量が問われるところですね。GP では調和と言うよりも個性が生み出すハーモニーを感じました。ところで、振付家として見て欲しい箇所は?

_ ミュージカル仕立てとでも言いましょうか、パ・ド・ドウでは愛の駆け引き、全員のアンサンブルでは“生きる喜びを表現”弾ける瞬間は見て欲しいですね。


東京地区「コッペリア・ディベルティスマン」
音楽:レオ・ドリーブ
振付:坂本登喜彦
バレエ・ミストレス:高部尚子

時:川島春生&宮城文
D.S.:普段聞き慣れたドリーブのコッペリア曲がこんなに美しい曲だったのか、と感じたのは曲と曲のつなぎがスムーズだったからでしょうか?

坂本登喜彦さん: 基本的に美しい曲は美しく、激しい曲は激しく、悲しい曲は悲しいように感じてもらえるように(振付)しています。そういっていただけると嬉しいです。今まで聞こえなかった音楽を「こんなきれいな曲が・こんな楽しい曲があったのか」とお客様に感じていただけることを目指しました。特に今回は3幕にコッペリウスも市長さんも出てこなくて純粋に踊りだけを見てもらえる演出にしました。
例えば“祈り”は美しく、“戦い”は激しくはよく解りますがそれ以外の曲は?

_ それぞれの曲に独自のテンポがありますし、楽器固有の響きなどから感じるものがそれぞれ違います。今回は 一人一人をアレンジするのではなく全体を通して 音楽と一体となった若いダンサーの躍動感を楽しんでいただければ嬉しいです。

戦い;仲村貴乃&正木智子
長瀬伸也
1曲1キャストだと問題ないのですが、同じ曲に大勢のダンサーが違う振り付けの場合はどうなさいますか?

_ 私の目の届かないところは すべてバレエ・ミストレスの高部尚子が細かいところの“振り”や精神的なケアをしてくれました。

森田健太郎&粕谷麻美
フランツ:森田健太郎
スワニルダ:粕谷麻美
再振付というのは原振付者に対してちょっとおこがましいところもあるのではないかと思うのですが、こういった形で新たなバレエ「コッペリア」を作り上げるのは?

_ 本当は(すでに)コッペリア全曲を(完成して)持っていまして全幕をお見せしたかったのですが残念です。特に 2幕に工夫があるんですが......。

止まったままの人形が動くとか?
え!本当にそうなんですか?それはぜひ拝見したいですね。

最後の質問です。坂本さんにとって“仕事”は楽しいですか?
_ 楽しいです。(笑)頭の中で考えていた空想がどんどん現実になっていきます。こんな楽しいことはありません。

関東支部「ライモンダより 〜第3幕〜」
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
原振付:マリウス・プティパ
改定振付:加藤久美子
バレエ・ミストレス:小堀規子

プリンシバルとしては何度も新国立劇場の舞台に立たれていますが、振付者としては初めての参加ですね。原振付 マリウス・プティパの魅力はどこにありますか?

加藤久美子 さん:なんと言っても構成のすばらしさです。自分が振りを作ることで発見したのですが、立ち位置の絶妙のポジションや列が動いて変化するその美しさにあらためて感動しました。同じ舞台にコールド・ソリスト・プリンシバルがいる場合、今までは“3つの振付”として見ていましたが、三者が一体なんだと改めて確認しその美しさに感動しました。
市川 透& 行友祐子
大金 歩
クラシックバレエの魅力とは?

_ 何百年も受け継がれてきた中に自分というものをミックスしたらどのようになるのか、グラズノフ の壮大で繊細な音楽にのせて民族舞踊と古典舞踊を融合させた プティパと比較はおこがましいのですが、 試行錯誤しながらその時代に即した作品を作りたいと考えています。特に今回はコールドの方にも本来ならソリストの曲を踊ってもらったりパ・ド・ドウなどの男性と組む場面を多く登場させました。

関東支部ということで他の支部と比較すると生オーケストラで踊ることには恵まれた環境にあると思うのですが、指揮者とのアイコンタクトなどはやはり難しいものですね。

_ 打ち合わせも必要ですが、やはり実際にオケの音が出たときにどれだけ“自分のもの”に出来るかが勝負です。かけひきではないのですがそこが舞台の醍醐味ですね。

経験を積むしかないのでしょうか?
_全員が合わせることはやはり難しいのですが、“GPでいただいた音”を個人個人がどれだけ大事に出来るかにかかっています。

今野ゆり
縫谷美沙/星野姫
現在は後進の指導を中心になさっているようですが、今後どのような作品なら演出したいですか?

_“この人数でこの時間で”と程度条件を縛られている方が燃えます。(笑)私はクラシック作品意外考えられませんが、創作作品を作られる方は大尊敬です。(爆)

ライモンダ:行友祐子