2008都民芸術フェスティバル参加公演
(社)日本バレエ協会
「くるみ割り人形」

2008.2.20 ゆうぽうとホール


2of 2

JAPAN BALLET ASSOCITATION
「The Nctcracker」

コック達:佐々木美緒、大長亜希子、田川裕梨
お菓子の国の王様:田名部正治    くるみ割り人形の王子:武中志門
 2幕、クララと王子は『お菓子の国』に到着します。 『お菓子の国の王様』が2人を熱く(!)迎え、王子が王様に、『クララに助けてもら った』ことを説明しているようにみえるマイム中心のシーンがありましたが、王様は、王 子のお父さん・・ですよね? 王様は、ピエロ風な風貌なので、美少年な(!)王子とは、ちょっとイメージが違うよ うにも思いましたが、明るい存在感で、とっても目立っていました。 お菓子を焼き上げて、クララと王子をもてなす『コック達』が3人。この3人もこのヴ ァージョンならではの登場人物という気がしますが、確かなポジションやキレのよさが 気持ちよく、とても印象に残っています。 
スペイン:中武啓吾、テーラー麻衣、原田公司、
 各国の踊りは、オリジナルな魅力がいっぱい! 本当に世界中の『お菓子』が集まっている華やかさでした。^^  
『情熱的な』(『大人』の雰囲気という感じでしょうか?)スペインはチョコレート。 長く大きく薄い布を効果的に使った、神秘的な、オリエントはコーヒーの精。 シャープでリズミカルな動きが印象的な中国は、お茶の精。

 ロシア(トレパック)は、民族舞踊(コサックダンス) 的な、難易度の高いテクニックも盛りこまれていて、熱く(!)盛り上がりました。  フランスは、端正なステップがとても優雅な『フランス人形』。

 スイス(!)は(も?)、絶品でした。^^ 『ギゴーニュおばさん』のスカートの中から子どもたち(ボンボン)が出てくる演出が 多い曲を使って、羊飼いと3匹の羊、そして黒い羊の踊りになっていました。 羊飼いの宮崎康臣さんの、思い切りのいい高さのあるジャンプ、羊さんたちの可愛いだ けでない確かなポワントワーク、豊かな表情等々、爽やかでとてもよかったです。 (このストーリーで1つのバレエ作品ができてしまいそうでした。^^) 

 花のワルツは、ピンク系のロマンティックチュチュが、まさに『砂糖菓子』の甘い雰囲 気。 コールドはよく揃っていて、『粉雪』では、キビキビとした動きから、雪の『さらさら』 感を連想できましたし、『花〜』では、大きく優雅な動きが、揺れる花びらのようにみえ ました。^^
金平糖の精:島田衣子& 金平糖の精の小姓:法村圭緒
 最後は、金平糖の精(お菓子の国の王女)と小姓のグランパドドゥ。 観る前は、『王女様と小姓では、少しロマンティック度に欠けるような?』などと思っ たりもしましたが、実際、島田さんと法村さんの美しさの前では、設定はまったく問題で はありませんでした。

 法村さんは、日本を代表するダンスール・ノーブルのお一人。ワガノワ・バレエ学校で 学ばれた超正統派。活動拠点は大阪とはいえ、日本中から出演依頼が舞い込み、全国にフ ァンを持つ人気者でらっしゃいますね。 ダイナミックさと優雅さをあわせもつ素敵な王子さま(って、今回は『小姓』さんです が ^^;)を目の当たりにできてよかったです。 支え手がたのもしく、そして優しいのも特筆でしょうか。^^  島田さんは、可憐な雰囲気でありながら、プリマらしい風格、抜群の存在感で、惹きつ けられました。 ヴァリエーションでの精緻なポワント捌き、つま先や、指先から星がこぼれるような( !)、きらめきと軽さは、まさに『金平糖』のイメージそのものに思えました。


演出・著作権上、取材許可が下りない衣裳・大道具などがあり8枚ほど掲載できませんでした。楽しみになさっていた方に、そしてすばらしいダンスシーンをみせてくれた出演者の方々に心からお詫びいたします。

スクエア_鈴木紳司

 グランパドドゥの興奮がさめやらぬうちに、クララにお迎えのソリが来てしまいます・ ・。 ソリの上のクララが、満面の笑顔で、お菓子の国に別れを告げて幕。 居間で目覚めるシーンで終わらないところもこのヴァージョンならではでしょうか。^^  クララといっしょに夢をみられた楽しいひとときでした。^^   

08.2.20 ゆうぽうと所見

コメンティーター:メイ

STAFF

音楽/ピョートル・チャイコフスキー
原振付/レフ・イワノフ、マリウス・プティパ
再改定振付・演出/児玉克洋
芸術監督/薄井憲二
指揮/堤 俊作
演奏/ロイヤルメトロポリタン管弦楽団
合唱/ゆりがおか児童合唱団
照明/足立 恒
バレエ・ミストレス/宮木百合子、江川マヤ、竹内祥世
バレエ・マスター/柴田英悟
チーフ・プロデューサー/遠藤展弘
制作担当/赤城 圭、漆原宏樹、篠原聖一