谷桃子バレエ団「ラ・バヤデール」

2008.2.8&9 東京文化会館 大ホール


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Tani Momoko Ballet
「La Bayadere」

 率直にいって前半はインドの東洋的な興味はありますが、踊りとしては余り見所はありません。それがニキヤとガムザッティの争いからドラマが盛り上がり、ガムザッティとソロルの結婚式で、クラシックバレエと東洋的な踊りが混ざり合って一つの見せ場になります。

 そして最後に黄泉の国(幻影)の場で、まさにクラシックバレエらしい多くの白いチュチュのダンサーにつつまれて(バレエブラン)、高い技術が交差する最大の盛り上がりが生まれるのです。

ガムザッティ:朝枝めぐみ &齊藤 拓
ガムザッティ:樋口みのり&今井智也
パ・ダクション(パープル)
田村 梓、伊藤さよ子、緒方麻衣、津屋彩子
 結婚式の場のクラシックとキャラクターダンサーたち、黄泉の国のソリストと群舞、新加入の三木雄馬の黄金の仏像、さらに大僧正の赤城圭などダンサーたちも演技陣も役をきちんと果たしていました。
朝枝めぐみ
樋口みのり
ニキヤ:佐々木和葉
ニキヤ:永橋あゆみ
ドグマンタ:内藤 博/樋口みのり/今井智也
 加えてインド的な立体感のある壁面、最後の場の天上から光のさす壮大なバックの美術(妹尾河童)も特筆すべき効果をあげていました。音楽監督・指揮の福田一雄による演奏(東京ニューシティ管弦楽団)とともに、全体としてクラシックな形式性のなかに東洋的な雰囲気を織り込んだ、見所の多い舞台となっていました。

2008年8、9日東京文化会館大ホール 8日所見

舞踊批評家・うらわまこと