札幌舞踊会 定期公演 バレエ「コッペリア」全幕

2013.9.17 ニトリ文化ホール

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 SAPPORO BUYOKAI
「Coppelia」

スワニルダ:郷 翠
200万人都市にふさわしいレベルの
古典バレエをアピール

うらわまこと

 北の地札幌に本拠をおく札幌舞踊会(千田雅子代表)は、わが国で気になるバレエ団の一つです。

 それはこのバレエ団が作品だけでなく、企画そのものに新しい、挑戦的なアイディアを積極的に取り入れているからです。例えば若い頃の金森穣に一晩まかせてしまったり、いろいろな人の創作や古典の小品を一本の串(鍵)でくっつけちゃったり、といった具合。新作ばかりでなく、古典にも独特の味付けをしてしまうのです。

コッペリウス:坂本登喜彦
コッペリア:田中 綾
マズルカ:藤岡綾子&西野隼人
お友達:林 香織、山本佳奈、倉岡千穂、梶原千佳、神島百合香、白倉かな
 今回は「コッペリア」。これは本格的に古典(厳密にはロマンティックバレエ)の伝統に取り組んだ舞台となりました。もちろん、ここにも演出・振付の千田雅子の独特のアイディア、工夫がなされていますが、これは現代風にしたり、作品の解釈を基本的に変えたりということではありません。むしろ作品の古典としての価値、歴史の重さをより尊重するためのものといってよいでしょう。これは例えば、人形師コッペリウスの自作の人形コッペリアへの思いなど、登場人物の性格や心理をより明確にし、それを彼女自身の方法で具体的に描き出しているのです。
スワニルダ:郷 翠&フランツ:遅沢佑介
チャルダッシュ:梅澤由利子&吉瀬智弘    長谷川 馨 &横岡 諒