2010年スターダンサーズ・バレエ団1月公演
ピーター・ライト版
『 ジ ゼ ル 』全2幕
2010.1.23 ゆうぽうとホール

2of 2
STAR DANCERS BALLET
2010 JAN
「Giselle」

ヒラリオン:新村純一
 ジゼルの役は、小山総監督が自分の時代の新しいプリマ・バレリーナとして送り出した白糀祐子(しらかば・ゆうこと読む、24日は林ゆりえさん)が踊りました。ていねいに役に取り組む姿勢はとても好感が持てました。1幕の狂乱の場面をあまりやり過ぎないように、ほどよくこなした後、2幕のダンス・シーンではその実力をいかんなく示します。
ミルタ:厚木 彩
 相手役のイヴァン・プトロフさんは、キエフ生まれで、イギリスのロイヤル・バレエ団のプリンシパルという変り種。今回も来日して指導にあたったライト氏のおめがねに適ったゲストだけに、ダンスも演技もじつにしっかりしていました。第2幕のラストは、ジゼルが残した一輪の白い花をアルブレヒトが拾って、朝の光の中にひとり立ち尽くすというもの。すばらしい幕切れの演技でした。
白椛祐子&イヴァン・プトロフ
ジゼル:白椛祐子
新村純一 厚木 彩  ドゥ・ウィリ:小池知子、長谷川智佳子 
ミルタ:厚木 彩
 脇を固めたスターダンサーズ・バレエ団の若手たちがとてもよくやっていました。ヒラリオンの新村純一さんが創り出した朴訥な人物像、ベルタの周防サユルさんのアルブレヒトに対してあからさまな猜疑心を示した演技、バチルドの天木真那美さんの貴族らしい高貴な身のこなし、ミルタの厚木彩さん(24日は黒田美菜子さん)が着実に示したコール・ド・バレエに対するリーダー・シップなどは、今後の公演のいろいろな場面できっと生きてくるだろうとの確信を強めさせるものでした。

 小山久美さんが指揮するスターダンサーズ・バレエ団の今後の新しい活動の展開に注目したいと思います。

2010年1月23日、ゆうぽうとホール所見

やまの・はくだい=舞踊評論家

アルブレヒト:イヴァン・プトロフ
イヴァン・プトロフ& 白椛祐子
STAFF

音楽/アドルフ・アダン
振付/マリウス・プティパ、ピーター・ライト
演出/ピーター・ライト
台本/テオフィール・ゴーティエ
(ハインリッヒ・ハイネの民話に基づく)
舞台美術・衣裳/ピーター・ファーマー
振付指導/デニス・ボナー  指揮/田中良和
管弦楽/東京ニューシティ管弦楽団
バレエ・ミストレス/ アベ・チエ、小山恵美 

照明/ 中山安孝
舞台監督/ 森岡肇
総監督/小山久美