札幌舞踊会 Xmas公演
バレエ
「シンデレラ」全2幕

2010.12.5 ニトリ文化ホール

3of 3
SAPPRO BUYOUKAI

CINDERELLA

 元香港バレエ団の藤岡綾子が母親の面影のある「仙女」を慈愛に満ちた雰囲気で描き上げたほか、内田朱音の「時」を司るきびきびした動きのなかにも、頼りになる包容力を感じさせる明るさと余裕は、若さに似合わぬ高い完成度で、将来が楽しみです。
ガエル・ランビオット
 「幸福への案内人」もその美しい色彩と面白い衣装が観客を童話の世界にひきこみ、素晴らしい舞台効果を上げていました。踊り自体に特に個人的な見せ場はありませんが、12時をすぎて傷心の帰途に付くシンデレラを待っていました。夢から現実に戻ったシンデレラの夢を、ふたたび現実に繋いでくれる強い味方が、こんなにおどけた優しい人であれば、涙も笑顔に変わります。なかなかうまい人物設定です。
諸国巡り〈スペイン〉:倉岡千穂、長原綾子
 しかし一番の人気者は4人の愛らしい幼児(男)が金色のターバンを巻いてきっちり踊ったインドの踊りでした。音も外さず間違わず、よくもまあと驚いた客席から大きな拍手が沸いていました。
茂呂昇太朗、水牧拓夢、小林龍生、工藤結太
諸国巡り〈インド〉:梶原千佳
田中綾、坪田美波、鈴木伽実、清水眞子
 谷桃子バレエ団の高部尚子の原案という装置の細かい線画も斬新な衣装(井上博子)と相俟って童話の絵本のような雰囲気を生み出しました。

12月5日ニトリ文化ホール(旧北海道厚生年金会館)所見 

いじち・ゆうこ=舞踊批評家)

STAFF

新演出・振付/坂本登喜彦
照明/吉田茂夫
衣裳/井上博子
装置原案/高部尚子
大道具/牧 謙一
テクニカルスタッフ/アクトコール(株)
舞台監督/斉藤 玲、(株)御影
制作/奥山健恵 札幌舞踊会
総合プロデューサー/千田雅子
主催/札幌舞踊会

飯田朝世&ガエル・ランビオット
坂本登喜彦氏