NBAバレエ団「ジゼル」

2006.6.3 調布市グリーンホール


2of 2

NBA BALLET COMPANY
「GISELLE」

2幕、哀しみに打ちひしがれるヒラリオンの他に墓守の姿があったり、後を追ってきたウィルフリードをアルブレヒトが退けたり、ジゼルの幻がアルブレヒトの腕をすりぬけるところでミルタの姿もあったり・・とオリジナルな展開も多かったです。
ミルタ:原嶋里会
ウィリは、白いお花のティアラ、デコラティブな胸元、チュールのお袖、背中には羽、そしてわりとボリュームのあるスカートとかなりスウィートな雰囲気で、(昼間のように?)明るい照明の下、『亡霊』というより『善』の妖精のようにもみえ、舞台上にいくつかの輪を作るフォーメーションからも、冷たさよりもやわらかさを感じました。

ミルタの原嶋里会さんは、ジャンプをはじめ鋭いテクニック、ドゥ・ウィリの尾藤朋子さん、猪俣陽子さんも安定感とキレのよさでウィリをしっかり牽引。 コールドもとてもよく訓練されている印象でしたので、舞台の奥行きがバレエブランを堪能するには、少ないように感じたのが残念です。

ドゥ・ウィリ:猪俣陽子
ドゥ・ウィリ:尾藤朋子
セルゲイ・サボチェンコ&ヤンヤン・タン
ウィリになり、ヤンヤン・タンの精緻な技術は全開。 登場時のスピードのある正確な回転から、つま先まで美しい羽があるかのような跳躍で一気に観客を魅了。 長い長い脚を高々とあげてのポーズの美しさには息をのみました。
ヒラリオン:アレキサンダー・ミシューチン
サボチェンコもノーブルさを失うことなく熱演。 細い身体が、脚が、次から次へと綺麗に空間を切り開いていく様子は圧巻でした。 最初から最後まで一環して・・・2人の想いの深さが伝われば伝わるほど・・・『身分違いの恋』の印象がとても強かったです。 もう少し奥行きのある舞台で、生演奏で・・・等の思いもありますが、独自の展開も多く、片時も目を離すことができない、魅力にあふれた舞台でした。

200.6.4 調布市グリーンホール所見

コメンテーター:メイ

セルゲイ・サボチェンコ
ヤンヤン・タン
STAFF

作曲/アドルフ・アダン
原振付/ジュール・ベロー、ジャン・コラリ
演出・振付・芸術監督/安達哲治
監修/薄井憲二
バレエミストレス/大畠律子
舞台監督/西澤明彦
照明/後藤 武
音響/藤居俊夫
衣裳/NBAバレエ団衣裳部
   ETOILE stage costume(ソン・ボファ)
装置/百號画房
主催・制作/NPO法人 NBAバレエ団