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NBAバレエ団「死と乙女」
2016.5.27&29 北とぴあさくらホール
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1of 2
NBA Ballet Campany
「Dert Tod und das Madchen」
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志賀信夫の「動くからだと見るからだ」
「死と乙女」のゆくえ
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NBAの挑戦
NBAバレエ団は久保紘一が芸術監督になってから、新たなチャレンジを続けている。前任の安達哲治が、バレエリュスなど上演されにくい古典バレエに力を入れていた挑戦とは異なり、外部のさまざまな才能を生かして、バレエの観客層を広げようという、戦略的なチャレンジでもあるようだ。
今回の「死と乙女」と題する公演は、その意味でも日本の音楽界でも個性的な太鼓奏者の林英哲、ゴースト騒動で有名になった作曲家、新垣隆という才能を生かし、加えてアイリッシュダンスを振付に取り入れたライラ・ヨークの作品という、いずれも、観客に新しいものを提供しようという意欲に満ちた舞台だった。
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Act 01 和太鼓 Wadaiko
演出・作曲:林 英哲
振付:宮内浩之
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林 英哲
英哲風雲の会(上田秀一郎、はせきみた、田代 誠、辻 祐)
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和太鼓の力
この公演は、三部に分かれた構成で、第一部「和太鼓」は、文字通り林英哲とその仲間の和太鼓を徹底的に生かした作品。その一つ目の「三つ舞」は、舞台中央に多くの太鼓などが並ぶ和太鼓セットが組まれ、そこで林が叩き、阪本絵利奈が白いレオタードでソロを踊り、太鼓の周囲を回って、下手に消えていくという印象的な場面から始まる。
次に、男性4人が太鼓を運び込んで登場し、林の演奏とのコラボレーション。和太鼓がいくつもとシンバルなどがドラムセット二台分くらい組まれたもので、林が出す多彩なリズムと音色に4人が呼応して、音とリズムの見事なアンサンブルが展開する。ただ、できればこの場面では、バレエの群舞が出てきてもいいのではないかと思った。
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阪本絵利奈
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二つ目の「海の豊穣」は、中央の少し高みにある大太鼓を林が力強く叩き、その音が観客の腹に響く。そこで阪本絵利奈が、打ち掛けを着て上手に登場して、優美に動き、中央で横たわる。踊りはそこで終わり、暗転で今度は4人の太鼓奏者が横置きの太鼓を6つ運んできて、2人が3つを担当して叩く。 |
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ここからの太鼓演奏は、特にその動きが流麗かつ「見せる」ものであり、まるで振付のようで、おもしろい。腰を低くしてバチを持った手を高く揚げて叩く姿は見事なのだが、それも何度も位置を変え、実に多様なバリエーションで叩き出す。さらに大太鼓を叩く林自身も、途中からこの6つの太鼓の真ん中に陣取って、5人それぞれが両側の太鼓の面を叩くという演奏になり、音も動きも、いずれも見事としかいいようがない。実は林は、修業時代にバレエや日舞も学び、花柳流の名取りでもあるというから、その動きが振付に見えたのも、当選なのだ。この視覚にも強く訴える音楽的パフォーマンスに圧倒され、第一部は終了した。 |
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Act 02 ケルツ Celts
振付:ライラ・ヨーク
演出:久保紘一
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アイリッシュとバレエの融合
第二部は、米国の女性振付家ライラ・ヨークの作品。ポール・テイラーのカンパニーで長年活躍し、各国のバレエ団に作品を提供している。ポール・テイラーは米国ではかなり斬新な振付を行った振付家で、ピナ・バウシュも留学時にはここで学んだ。
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Red/竹田仁美、大森康正
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ライラ・ヨークはおそらくアイルランドにルーツを持つ人だろう。アイリッシュダンス、いわゆるリバーダンスの動きを、見事にバレエの振りに取り込んでいる。早いリズムの繰り返しと常にジャンプするという、その特徴が混ざると、バレエの動きがとても早く、そして別のものに見えてくる。もちろん足さばきにもアイリッシュダンスの動きが入るので、とても奇妙かつおもしろい。おそらくダンサーの負担はかなり大きいだろうが、この振りを身につけて、生かしたコンテンポラリーダンスを自ら振り付ける人が登場すると、かなり注目を得るだろう。 |
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Brown/佐々木美緒、三船元維
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音楽とバレエ
音楽はリバーダンスでよく知られたものだけでなく、アイリッシュ音楽のさまざまなバリエーションを示して、それ自体も面白い。バグパイプがシンセサイザーのように聞こえるところもあり、アイリッシュホイッスルや横笛の素朴な音色も美しい。これらに乗って、ソロ、デュオ、群舞が次々と展開する。
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