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Kishibe Ballet Studio
ゲネプロ時、2階席から撮影しながら、なんだか突き放されているような 冷たさを感じていました。洗濯物が日常と社会の境界線を示すなら、孤独vs仲間との友情が主題なのでしょうか? 下半身にまとっていたものがユニフォームだとすると仕事着を脱ぐことによって社会の束縛から逃れようとしているようにも思えたのです。
その言葉はそのまま私たちへの問いかけに変わります。毎日なにげなく目の前を通り過ぎる事柄が、けっして偶然ではなく必然の積み重ねなのだと気づいたとたん目の前のダンスが、男性の力を借りてアクロバティックなダンスを見せていたはずが逆に女性が男性を操っているように見えてきました。
タイトル「Beneath the Moon」がすべてが平等な社会を意味するのなら、キミホ・ハルバートさんが訴えたかったのは家族愛に他なりません。社会を形成するもっとも小さなユニットというべき家族を愛し、自らのダンスグループをユニット・キミホと名付け活動しているのもそこに意味があるように思いました。来年3月のユニット・キミホ旗揚げ公演(世田谷パブリックシアター)です。ぜひ観届けなければなりません。
06.8.30 メルパルクホール所見
写真・文:ダンス・スクエア_鈴木紳司