井上バレエ団上演25周年記念 12月公演
「くるみ割人形」
2009.12.12 文京シビック大ホール

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Inoue Ballet
「THE NUTCRACKER」

フリッツ:アクリ士門&クララ:長瀬叶歩

Photographer's Eye

フリッツ:アクリ士門&クララ:吉本美桜
 井上バレエ団 の「くるみ割人形」は今年で上演25周年を迎えました。
記念すべき第1回公演は1984年12月15日 メルパルクホールで行われました。初演のキャストは金平糖の精 :藤井直子さん、 王子:藤木俊彦さんということですので、藤井直子 さんはほぼ四半世紀にわたって主役を踊り続けたことになります。今回は後進に道を譲り バレエミストレスとして舞台をみつめていましたが、プリマデビューを飾った思い出深い演目です。その感慨はいかばかりだったでしょう。

 ダンス・スクエアの「くるみ」初取材も1998年、 藤井直子さん& 島田 衣子さんにロビーでインタビューした記憶があります。(コメントなし、写真のみの形態でしたので現在はバックナンバーにも掲載しておりません。)今年は 金平糖の精役の田中りなさん、西川知佳子さんのフレッシュなお二人を初取材となりました。不思議なことに なんだかこちらがドキドキします。父親でもないのに....。

ハレーキン:荒井成也&コロンビーヌ:佐藤悠佳
同じ新人デビュー でも毎回気楽に楽しめるのが フリッツ役とクララ役です。どんな可愛いダンスをみせてくれるのか、また名演技で唸らせてくるのか嬉しい驚きがたくさん待ち受けているからです。今年の フリッツ役はアクリ士門クンでした。アクリ瑠嘉クンの弟さんですが、お兄さん顔負けのダンス&立ち回りで舞台が滞りなく進行します。同時に舞台に立っているのを見たことがないので私には区別がつきません。双子じゃないんですよね(笑)
兵隊人形:桑原智昭
 クララ役はバレエを習っている少女なら誰でもあこがれる役です。でもこの役だけは狙って取れるものではありません。ちょうどよい年齢とテクニックそして演技力があって初めて候補にあがるのです。クララを中心として物語が進むのですから選択基準も厳しくて当然ですが その3つが 重なり合う時期はなかなかあるものではありません。
 もちろんベテランの男性ダンサーがサポートしますので何かがあっても安心なのですが、なかでもねずみの王様役の大倉現生さんはベテラン中のベテランです。くるみ割り人形の王子役を10年以上努めてきたのですが、悪役?の “ねずみの王様”にずっと心を牽かれていたとのこと。2006年にスイッチして今日にいたりますが、終演後の会心の笑顔は忘れられません。(笑)でも個人的には あの小気味よい人形の王子役をもう少し見ていたかったなあ
くるみ割り人形の王子:中尾充宏&ねずみの王様:大倉現生
雪の女王:小高絵美子&雪の王子:小林洋壱
雪の女王:高村明日賀&雪の王子:小林洋壱