上田 遙ダンスリサイタル
「10th ANNIVERSARY」

2006.10.7 草月ホール


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HARUKA UEDA

DANCE POEM「翼の見る夢」
西島千博
折しいチャレンジとこれまでの集大成で充実した記念公演

うらわまこと

 いわゆる現代舞踊、すなわち伝統的なモダンダンスの分野から、クラシックバレエ、ジャズダンスなどにも触れながら、独特の動きとドラマの感覚で、ダンスの境界を超えた多彩な活動をしてきた上田遙。このたびリサイタル10周年を記念してこれまでの集大成とともに、新しい分野にチャレンジした作品を発表しました。
星ゆかり&西島千博
 新しい試みとは音楽の宮川彬良、バレエの西島千博とのコラボレーションによる現代のメルヘンともいえる『翼の見る夢』。神様役として舞台奥でピアノを演奏する宮川、その前で余命いくばくもない天使西島が、空を飛びたいという夢をもった人間の夢をかなえて力つきるというお話。
神様:宮川 彬良       サラリーマン:上田遙
 最初は昔ピーター・パン役で空中を飛んだ元アイドル(星ゆかり)の、もう一度だけなんとかという夢、もう一つはしがないサラリーマン(上田遙)のもち続ける飛行士にになりたいという夢、この2人の望みを天使は自分の羽根を犠牲にしてかなえますが、それで力を使い果たしてしまい死をむかえるのです。
 宮川の音楽はときにドビュッシイを思わせる状況にふさわしいもの。西島、上田らの芸達者が動きと表情で、さらに天使姿の宮川安利のせりふが西島の心象を伝えて、分かりやすく感動的な舞台になっていました。
宮川安利
Red part I
中野亜矢子/桑原文生/林真保
三木雄馬&金田あゆ子
 次は、これまで好評をはくしてきたダンス組曲ともいえる『Red』のニュー・バージョン、パート I と II 。パート I はフラメンコを主体としたスペインの世界、音楽はバイオリンの川井郁子とオペラの増田いずみによっています。

まず鎌田厚子、上田はる美ら4人による、津軽三味線や自身の叩く太鼓によるフラメンコ。中野亜矢子、林真保、桑原文生によるたおやかなトリオから、アランフェスによる金田あゆ子と三木雄馬による激しいデュオ、さらに西澤美華子らのG線上のアリア、次いで箆津弘順が加わったカスタネットを奏しながらの5人のフラメンコ、明暗を感じさせるブラックハットの男女2組のダンス、そして池上直子を芯とした女性の群舞で終わります。

箆津弘順
中野亜矢子&三木雄馬
橋口晋策&伊藤さよこ