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バレエスタジオDUO
和田朝子舞踊研究所
Joint Performance

前田バレエ団公演「バレエの夕べ」

2005.8.29 静岡グランシップ中ホール「大地」
◆ストラグル
振付/佐藤 宏
 第2部は2作品構成。佐藤宏が創作した『ストラグル』は「散在」をテーマにしたバレエ・コンテンポラリー作品である。出演者8人(山本里香・小笠原麻美・金井さと子・花田菜美子・皆川めぐみ・平田沙織・松浦美亜・佐々木望)がJ・S・バッハの旋律に乗って「闇空間」と「光空間」を行き来しながら全身を柔軟に使う動きが心地よい。この“不思議で洒脱で知的な秀作”は観客を驚かせたに違いない。
田中英幸
山本里香、小笠原麻美、金井さと子、花田菜美子、皆川めぐみ、平田沙織、松浦美亜、佐々木 望
◆「エスメラルダ」より祝宴の場
振付/アナトリー・シードロフ
 最後に名作バレエ『エスメラルダ』から抜粋した「祝宴の場」を上演した。美しいジプシー娘エスメラルダと聖堂の鐘を鳴らす仕事をしている男カジモドの触れ合いを描くV・ユーゴー原作『ノートルダム・ド・パリ』の中に組み込まれた1場面である。レニングラード国立バレエのバレエ・マスターであるアナトリー・シードロフが振付を手がけた。
フルール・ドゥ・リース:原 あゆ美
フェビウス:エンバ・ウィリス
 王宮広間で結婚を祝う賓客10人が踊るところへ花籠を手にした少女たち16人が登場して華やいだ舞踏会が始まる。核になるのは華麗な雰囲気を持つ令嬢フルール・ドゥ・リース(原あゆ美)と美青年フェビウス(エンバ・ウィリス)である。ソリストは2人。第1ヴァリエーションの那須野芽生は愛らしい個性。踊る楽しさを表出しながら作品全体を明るくした。第2ヴァリエーションは美しく長身の秋山千加子。随所に小さな気迫を込めて心地よい動きを披露した。優雅な作品であった。
ヴァリエーション1:那須野芽生
ヴァリエーション2:秋山千加子
 『エスメラルダ』が終わると『眠れる森の美女』の最終場面で使われる音楽が流れ、出演者たちが次々と登場してグランド・フィナーレとなる。暑い夏の最終週に開かれた公演は豪華で多彩なプログラム。満員の観客を楽しませた。
 構成・演出・振付は前田香絵・前田藤絵、照明は梶孝三チームと八木清市。

2005.8.29グランシップ「大地」所見

てらむらさとし=舞踊評論家

STAFF

構成・演出・指導/前田香絵、前田藤絵
音楽監修/福田一雄
舞台監督/相馬勝己
照明/梶ライティングデザイン、
八木清市(「ストラグル」)
音響/河口由紀
舞台装置/ユニワークショップ
バレエミストレス/前田晶子、桟敷久美子、森川里子
主催/前田バレエ団