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岸辺バレエスタジオ第18回発表会
2005.8.30 メルパルクホール
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ぎっしりと内容充実の岸辺バレエスタジオ第18回発表会
8月30日、岸辺バレエスタジオの第18回発表会がメルパルクで行なわれました。昨年9月の発表会で「AS WHITE AS SNOW, AS RED AS AN APPLE」、11月のバレエ・フェスティバルで「Eve's Silma」を発表しているキミホ・ハルバートさんの新作が見たくて出かけることにしました。今の日本のバレエ界には、若くて優秀なダンサーはいくらでもいらっしゃるのですが、若手の才能ある振付者となると、そうはいきません。そんな中で私は前々からキミホ・ハルバートさんの才能に注目していました。昨年、日本バレエ協会主催のバレエ・フェスティバルで見た「Eve's Silma」の、飛躍に満ちた舞台進行のおもしろさ、そこにあふれていた精神の伸びやかさは、彼女がこれから先、きっとすばらしい振付者として日本のバレエ界をリードして行ってくれるという確信を私に与えてくれるものでした。
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◆「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ
音楽/R.ドリゴ 振付/M.プチパ
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発表会はデフィレ風の「踊る少女たち」で型通りに開幕。それに続く「ドニゼッティ・ヴァリエーションズ」と「2つのヴァイオリンのためのコンチェルト」を見て、岸辺バレエスタジオのダンサーたちの技術水準の高さを改めて実感しました。昨年の発表会でも感心したことなのですが、今年は全体がさらに高まっているな、という感じだったのです。岸辺光代さんの振付が細かいところまで行き届いていて、若いダンサーたちの力をうまく引き出していたこともありますが、踊る側もそれぞれに努力していたからでしょう |
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森田真希&武石光嗣
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その後にとつぜんという感じで、森田真希さんと武石光嗣さんの「海賊」のグラン・パ・ド・ドゥが続きました。普通ですと、こういうスター・ダンサーの出番はもっと最後の方になるところです。なるべくお客様に最後までいてもらいたいという主催者側の配慮が見え隠れするわけです。しかし、ここの発表会では惜し気もなくここで見せてしまいました。はなやかな雰囲気、安定したテクニック、しだいに盛り上げていく二人のコントロールの巧みさにお客様は大満足(もちろん私も)。大きな拍手が鳴り止みませんでした。 |
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◆「美女と野獣」
音楽/M.ラベル
振付/アンソニー・ハルバート
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ところがさらにその後に、アンソニー・ハルバート振付の「美女と野獣」というモダンのパ・ド・ドゥがありました。それを踊ったのはキミホ・ハルバートさんと齊藤拓さんの二人。
発表会のパンフレットの「ごあいさつ」で岸辺光代さんは「『美女と野獣』はアンソニー・ハルバートが私に振付した作品で30年が経った今、娘が同じ役を踊ることを天国で喜んでいることでしょう」と書いています。岸辺さんのことは昔からよく知っているつもりでいましたが、今までキミホさんのお父さんのことは何も聞いたことがありませんでした。とつぜんここで岸辺一家の全貌が明らかになったと言ったらちょっと大げさですが、少なくともキミホさんの振付の才能があるべくしてあるのだということが、ちょっとわかったような気がしました。
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キミホ・ハルバート&齊藤 拓
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舞台のシモ手(向かって左側)奥に巨大な一角獣(ユニコーン)の置物が見えています。そこへ野獣のお面をかぶった齊藤拓さんが登場し、キミホさんと「美女と野獣」の物語が展開するのです。しっかりと動きを積み重ね、ずっしりとした手応えを感じさせる約20分の長いパ・ド・ドゥに仕上げられていました。
音楽はラベルが1912年にバレエのために書いた「マ・メール・ロア」が使われていましたが、曲の起伏をたくみに組み込んでの物語のきめこまかい展開がみごとでした。
夫アンソニーさんの遺作をここで娘のキミホさんに踊らせようと決心した岸辺さんは、どんな気持ちでこの舞台を見ていたのでしょうか。亡き父親の作品を踊ったキミホさんはまたどんなことを感じていたのでしょうか。
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この「美女と野獣」には、ひとつ舞台の上に異なる場面のできごとを同時に出して、二人の思いの強さや、そのくいちがいなどを示す高度な振付技術が使われていました。その複雑な物語の進行を鮮やかに観客に伝えてくれる上で大きな働きをしたのが照明の足立恒さんでした。彼は奥さんがバレリーナの大塚礼子さんということもあってか、バレエの照明ではいつも良い仕事をする人です。この「美女と野獣」は彼の照明によって、さらに陰影の濃いものになりました。
家に帰ってオックスフォードのバレエ辞典でアンソニー・ハルバートの項目を探してみましたら、1987年版に「Tony Hulbert」で載っていました。1944年、イギリス生まれの彼は、サラドーズ=ウェルズ・オペラ・バレエ、20世紀バレエ団、ロンドン・フェスティバル・バレエ団、ネザーランド・ダンス・シアターなどで踊り、1969年から振付をはじめています。そして1971年にネザーランド・ダンス・シアターに入団した岸辺光代さんと、ベルギーの王立ワロニー・バレエ団などの経歴が重なってきて、キミホさんが生まれるわけですね。
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STAFF
振付・指導
岸辺光代、照屋真由子、キミホ・ハルバート
照明デザイン/足立 恒
舞台監督/堀尾由紀
音響/三輪あみか
装置・大道具/ユニ・ワークショップ
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魔法使いの弟子:大塚 光
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