Yuki Morita Ballet Presentation'07

2007.11.18 アクトシティ浜松・大ホール


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Yuki Morita Ballet Presentation'07


「夢みる仔猫」


スワニルダのVr.:本田みどり


ジゼルのVr.:酒井梨穂


オーロラ姫のVr.:川合里奈


キトリのVr.:新村友里江


メドーラのVr.:丸地利沙


「白鳥の湖」よりパ・ド・トロワ
坂井優花、中村つく偲、友杉洋之

ユニークなプログラムで楽しませた森田友紀バレエ研究所バレエ・プレゼンテーション'07

うらわ・まこと

 森田友紀が主宰する浜松の森田友紀バレエ研究所。娘の森田友理は東京バレエ団や海外で活躍したあと、現在は母親に協力して、踊りながら若手の指導や振付にも力を入れています。そのバレエ研究所が主催するバレエ・プレゼンテーション’07。大勢の子供たちの作品とともに、多彩なゲストを招いてユニークなプログラムで作品を上演しました。

 ジュニア、児童たちのための第1部。可愛い幼児たちが活躍する楽しい『夢見る仔猫』、小さなシンフォニックバレエ『Bird Symphony』と、ジュニアたちのクラシックのヴァリエーションやグラン・パによるバレエコンサート。全体に基礎をしっかり身につけよう、つけさせようという姿勢がうかがわれます。


「Bird Symphony」


「白鳥の湖」第2幕

オデット姫:森田友理/王子ジークフリード:法村圭緒/悪魔ロットバルト:大寺資二
オデット姫:森田友理
 第2部は『白鳥の湖』第2幕。森田友理のオデットに、法村圭緒の王子、大寺資二の悪魔ロットバルトという贅沢なキャスト。振付は基本的には伝統的なイワノフ版によっていますが、ストーリーを明確にするために、とくに主役の部分に多少の手を加えています。最初のロットバルトが登場したときの踊りで怪しい雰囲気をつくり、最後のオデットと王子の別れのアダージョをじっくりと見せて、幕切れをまとめあげました。友理はしっかりとしたスタイルと動き、法村圭緒の巧みなサポートで、この作品の香りを伝えました。白鳥たちも、3羽、4羽はじめみなよく訓練されていました。
森田友理&法村圭緒
四羽の白鳥:川合里奈、河嶋優里、小澤知里、新村友里江
三羽の白鳥:野村麻沙子、酒井梨穂、本田みどり
王子ジークフリード:法村圭緒/オデット姫:森田友理/悪魔ロットバルト:大寺資二

「大地の詩」〜ブラームスのハンガリー舞曲より〜


「ワルプルギスの夜」

バッカス:坂本憲志
サチロス:友杉洋之、橋口晋作、小濱孝夫、阿部俊輔
 第3部は、まずブラームスのハンガリー舞曲による、ジュニアたちの華やかな色彩の民俗調のダンス『大地の詩』。そしてグノーのオペラ「ファウスト」からの舞踊曲による『ワルプルギスの夜』。ギリシャ・ローマ神話の神や巫女、精たちが乱舞するラブロフスキー振付のこのバレエは、今から50年ほど前、モスクワのボリショイ・バレエの来日公演で上演され、そのダイナミックでエロスに満ちた動きで大変なセンセイションを巻き起こしました。
巫女たち:山田萌絵、野村麻沙子、村上順子、坂井優花、梅津志帆
神官:大寺資二&巫女:森田友理&パン:高木裕次
ニンフ:坂井佳帆、太田紗代、小澤知里
 ここで主演したのも友理。オデットとは対極的にあるこの巫女の役を、しっかりしたテクニック、大寺資二の見事なリフトと大きな動き、高木裕次らのエロティックでエネルギッシュなダンスを従えて見事に演じました。

 演出・振付の坂本憲志もバッカスの役で要所を締めていました。このようなタイプの作品はなかなか上演される機会がないのですが、音楽も楽しく活力に満ち、見所の多いもの。若い女性ダンサーたちもよく音楽にのって演じ、もう少し練り上げればここの大切な財産になるでしょう。

2007年11月18日 アクトシティ浜松・大ホール所見 

うらわ・まこと=舞踊批評家

巫女:森田友理
STAFF

総監督/森田友紀
演出・振付/坂本憲志
振付・指導/森田友理
照明/足立 恒
舞台監督/柴崎 大
音響/河田康雄
舞台装置/東宝舞台(株)
主催/森田友紀バレエ研究所
森田友紀氏