谷桃子バレエ団公演「海賊」全幕
2015.3.21&22 東京文化会館

3of 3
Tani Momoko Ballet
「Le Corsaire」

佐藤麻利香&檜山和久
 さて、今日の舞台ですが、このような演出・振付のもと、若いキャストたちはよく頑張ったと思います。
近藤徹志& 加藤未希
今井智也&永橋あゆみ                    齊藤 拓&佐々木和葉
 コンラッドは檜山和久、タッパ(身長)もあり、スタイル的に主役の条件は十分、技術的にも、この日はやや緊張が見えましたが、基本的には合格。物語の上でも、踊りの面でも、他の版よりはるかに大きな責任をもつ役によく挑戦していました。

 ただ、演出・指導の意図かも分かりませんが、もう少し形ではなく内面から心象を表現した方がリアリティは高まり、観客にも伝わると思います。ダンサーであると同時に、演技者、表現者であって欲しいのです。これは1人大袈裟に演技したパシャの近藤徹志以外の出演者全体に言えることです。

フォルバン:吉田邑那& 林 麻衣子
永橋あゆみ& 今井智也
 踊りの面では、メドーラの佐藤麻利香も主役としての高い技術的要求によく応え、ギュリナーラの加藤未希も作品最初の見せ場、奴隷商人ランケデム、山科諒馬とのグラン・パ・ド・ドゥをきちんと見せました。山科、そして海賊の踊りの芯、林麻衣子、吉田邑那もよく舞台を盛り上げていました。
檜山和久& 佐藤麻利香
 オダリスクなどのソリスト、海賊たちや花園、ハーレムの群舞も健闘。
 演奏は河合尚市指揮の東京フィルハーモニー交響楽団、幕のなかの場の大きな転換には間奏曲を入れる演出を含め、独特の編曲によく対応していました。

2015.3.21 東京文化会館夜の部所見

舞踊批評家 うらわまこと

フォルバン:佐々木和葉&齊藤 拓
吉田邑那& 林 麻衣子
STAFF
総監督/谷桃子
芸術監督/齊藤拓
監修/イリーナ・コルパコワ
脚本・演出・振付/エルダー・アリエフ(M・プティパ原振付を含む)
音楽/A・アダン、L・ドリーブ、R・ドリゴ、オルデンブルク公爵
E・コーンブリット、P・シェンク
衣裳デザイン/ガリナ・ソロヴィヨワ
舞台美術デザイン/シモン・パストゥフ
舞台装置・衣裳・小道具製作/ヴォズロジジェーニ社
装置衣裳レンタル/シアトリカル・レンタルズLLC
バレエミストレス/高部尚子、大塚礼子、日原永美子
バレエマスター/中武啓吾
児童指導/上島里江、朝枝めぐみ

照明/足立 恒(インプレッション)
衣裳製作/大井昌子
大道具/(有)ユニ・ワークショップ
音響/矢野幸正(アートスタジオY’s)
舞台監督/福島 章

指揮/河合尚市
演奏/東京フィルハーモニー交響楽団

企画/赤城圭
制作/谷桃子バレエ団制作部
制作協力/PROMAX , db inc. (株)アンクリエイティブ