森田友紀バレエ創立35周年記念公演
「ドン・キホーテ」全幕

2009.7.26 アクトシティ浜松 大ホール

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Yuki Morita Ballet
「Don Quixote」

Photographer's Eye
 浜松の森田友紀バレエを取材しました。1976年に初めての発表会を開催し、20周年に「ジゼル」、25周年に「白鳥の湖」、30周年に再び「ジゼル」公演を開催、35周年記念公演の今回は「ドン・キホーテ」を取り上げました。
ドン・キホーテ:時田ひとし
サンチョ・パンサ:岩上 純
キトリ:森田友理 &バジル:法村圭緒
ガマーシュ:高木裕次 / ロレンツォ:田名部正治
 「ドン・キホーテ」ほどヒロインにとって過酷な全幕バレエはありません。1幕から3幕までほとんど出ずっぱりなのですから、気力と体力の限界に挑戦するようなバレエです。それも町娘・駆け落ちの道行き・ドルシネア姫・花嫁と、まるで違うキャラクターを演じ分けなかればいけないのですから大変です。

 その逆に私たちは衣裳を見るだけで充分に楽しめます。中でも強烈な印象を残したのは町娘のキトリ(1幕のバルセロナの広場)です。赤い2段重ねのスカート(今年流行のレイヤード?)がまるで風になびくようにはためきます。じらすキトリとシビレを切らすバジルの恋の駆け引きにも小道具として重要な役割を果たしました。おそらく2階席の観客の皆さんも“恋のシーソーゲーム”を手に取るように感じられたのではないでしょうか。

エスパーダ:新村純一&大道の踊り子:根本佳奈
岩上 純
キトリの友人:中村つく思、酒井梨穂
 すねたり笑ったり、プログラムにもそんなデート風景を彷彿とさせるようなスナップショットが何枚も載せられていました。これは幕が上がる前から観客一人一人の想像力を掻きたてたに違いありません。

 1幕が始まってすぐに 森田キトリが炸裂! 単純明快で思いついたら即行動するタイプにみえるのにちょっといいかげん、そのくせ激しやすく涙もろい。でもそのストレートさがとてもチャーミングです。《キトリがなぜ 街一番の人気者なのか》がとてもよく分かります。全幕を通して超人的なテクニックを要求されるのですが、それ以上に“人に愛される何か”がヒロインには必要なのです。

キトリ:森田友理
 「このままではガマーシュと政略結婚させられてしまう」そんな時に ドン・キホーテが登場し、キトリを夢に描いていたドルネシア姫と思いこみます。キホーテは“愛すべき変わり者なの”か“敬意を持って迎えられる落ちぶれ貴族”の解釈は観客にゆだねられますが、これで役者が揃ったわけです。さあこの後どうなるのでしょうか?
ジプシーの頭領:藤井 学
 サンチョ・パンサ(岩上 純さん)と金持ち貴族:ガマーシュ(高木裕次さん)が笑いを巻き起こします。従順な下僕に徹するかと思えば、主人の目を盗んで悪さもするサンチョ・パンサとキザで気取り屋の ガマーシュがいるからこそ物語が引き立ちます。

さらに人気闘牛士(新村純一さん)やカリスマ踊り子(根本佳奈さん)も加わり広場は大賑わい。ドンキの一番の魅力はスピード感あふれるこの展開です。中でも男女の群舞が入り乱れるジプシー達の跳躍は迫力満点でした。

人形劇