岸辺バレエスタジオ第30回記念発表会 「ジゼル」
2017.8.13 メルパルクホール

2of 3
Kishibe Ballet
Giselle Act2

ヒラリオン:中家正博
二幕冒頭、ヒラリオンが登場する場面は夜更けということもあり、照明がとりわけ暗い。ウィリたちが舞台に現れると、妖しい光が森を照らすように明るくなる。ミルタに勝田愛実、ドゥ・ウィリに石川理子と名木田弓音、そしてバレエスタジオの若いダンサーたちがウィリを務めた。
ミルタ:勝田愛実
ドゥ・ウィリー
名木田弓音 石川理子
蘇ったジゼルの飾りのないシンプルなチュチュは、オニールが着るとスタイリッシュに見える。振付には軽やかなジャンプが多いが、トゥ・シューズの音は全く聞かれない。王子と再会後、後ろ向きのパ・ド・ブレでシモテに向かう場面では、まるで木々の間に吸い込まれてゆくかのようだった。メラックのサポートで前方に身体を傾けたアラベスクは、長い手足がどんどん伸びてゆく。上半身を倒す際の大きく腕を使う仕草に、一幕で目撃した生き生きとした村娘の名残が感じられた。
フロロン・メラック&八菜・オニール
メラックもヴァリエーションでは高いジャンプと優れた柔軟性を発揮。連続のパ・ド・シスなどの見せ所もしっかりと押さえて舞台を盛り上げた。夜明けの鐘が鳴り、最後に一度ジゼルが背後から王子を抱きしめたのちに、墓に消えてゆく。残された王子が舞台中央で放心する中、しっとりと幕が下りた。
フロロン・メラック / 八菜・オニール / 勝田愛実
八菜・オニール
フロロン・メラック