第24回清里フィールドバレエ『ジゼル』

2013.8.10 清里萌木の村特設ステージ

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The Field Ballet 
Giselle

ベルタ:平川有希 &ヒラリオン:正木 亮
アルブレヒト:逸見智彦

狂ったからこそ見えた解放された内面

伊地知 優子


例年3〜4演目を日替わりで上演してきた清里フィールドバレエですが、今年は全日程(11公演)を「ジゼル」一本で通すという大胆な試みです。それだけにバレエ団総力をあげて、決定版ともいえるジゼルを目指し、豪華なゲストをはじめ、団員の配役も一段と充実してなかなかの見応えでした。
ジゼル:川口ゆり子& アルブレヒト:逸見智彦
川口ゆり子&逸見智彦
 ジゼルは吉本真由美、下村由理恵、松村里沙、川口ゆり子で日替わり。アルブレヒトは吉本泰久、江本拓、蔵健太、逸見智彦、山本康介、とこちらもなかなかのさむらい揃いです。
 大自然の木立ちに囲まれた野外の舞台は、涼風が頬を撫で、虫のさえずりが聞こえ、霧が出てきても、すべてがそのままジゼルの住むドイツの村の風景になっていて、この臨場感だけはどんなに立派な劇場でお金をかけても生み出せない極上の臨場感です。まさに「ジゼル」一本で勝負するしかないでしょう、とでもいいたくなる場所なのです。
クールランド公爵:佐藤崇有貴/平川有希/バティルド姫:野田春菜子/川口ゆり子
 所見の日は運良く晴れてやや涼しく(寒い時もありますが、今年は猛暑の影響で東京よりは涼しいという程度)、川口ゆり子、逸見智彦の主役に橋本尚美のミルタ、ヒラリオンに正木亮、というベテラン揃いの最も安定した配役の日でした。